適切なデータ解析プラットフォームの選び方

By Thao Tram Ngo
10月 4, 2019
Icons representing various types of data that can be found on analytics platforms
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データ解析において万能のプラットフォームというものは存在しません。

20世紀にビジネスインテリジェンスが直面した大きな課題は、有用な実証データの不足でした。21世紀になると問題はさらに複雑になり、何から始めればいいのかすらも判断が難しくなります。豊富なリソースと組織的な意思を備えた企業は、高度な解析プログラムの確立に相当な金額を投入できます。

しかし重要なのは、収集されたすべての情報をどのように処理し活用するかです。そこで、適切な解析プラットフォームを見つけるためのガイドを作成することにしました。

ここ数年でMcKinsey Analyticsは、高度な解析ツールに多額の投資をしている企業を対象に大規模な調査を行い、そういったアプローチがもたらす潜在的価値のうち、企業が認識できているのはわずか10%であることを明らかにしました。よく目にするのは、テクノロジーと具体的なビジネス目標の両方をうまく結びつけられていないという問題です。

このガイドでは、どのようなデータがビジネスの一般的な問題に関連性が高いかを確認したあとで、それらの問題解決に役立つ解析プラットフォームの主機能について説明していきます。

ビジネスインテリジェンス

適切な解析プラットフォームを選択するために、まずは明確なビジネス目標を設定しましょう。例えば銀行においては、信用リスク評価のための優れたモデリングや、顧客の利用パターンに関するインサイトが必要とされるかもしれません。一方でメーカーにおいては、在庫の最適化に役立つBI解析が必要とされるかもしれません。

Shelves of miscellaneous inventory

考慮すべき主な点は以下の通りです。:

  • 関連性の高い測定基準:すべてを測定しようとして結局なにも測定できなかったというのはよくある話です。解析プラットフォームは、マイニングし収集したメトリクスを簡単にカスタマイズできるものを選びましょう。MicrosoftのPower BIは、異なる業界向けに固有のパッケージを提供しています。保険ダッシュボードでは、処理中の申請を損害タイプ(車両衝突、物損、盗難など)、地域、および支店実績で簡単にセグメント化できます。
  • 統合の容易さ:解析によって得られたインサイトはサイロ化してしまえば無価値です。日常業務の効率性を高めるため、企業のあらゆるレベルで解析を統合する必要があります。Tableauは、直感的なコラボレーションツールが評判を呼んだ、この分野のリーダーです。このツールを使えば、主要な従業員が簡単にデータにアクセスでき、データ準備に貢献することが可能になります。
  • インサイト獲得までの時間:リアルタイムのエンゲージメトリクスは欠かせません。また、インサイトの生成時間を短縮してくれる製品を探しましょう。Domoの洗練されたプラットフォームは、異なるストリームからのデータをリアルタイムに結合して、画期的な可視化を実現しています。データをどこまで掘り下げても傾向を把握でき、準備段階のソリューションを簡単にテストできます。

ウェブ解析

ウェブ解析は、インターネットを閲覧するユーザーの行動を把握します。Googleが無料で提供するユニバーサルアナリティクスプラットフォームが普及して以来、Fortune 500に載るような企業から地方の小さな家族経営店に至るまで、オンラインでの存在感に関心を持たないビジネスはほとんど珍しくなりました。

Person using web analytics on a laptop

残念なことにウェブ解析は、メトリクスをインサイトに変換する際の分かりづらさもあり、おそらく業界の中でも一番時間とお金が無駄になっている分野です。見込み客のコンバージョンが成功しないのはナビゲーションが直感的でないからでしょうか、それともオンラインマーケティングが正しい顧客を獲得していないからでしょうか?

Google アナリティクスは、具体的に定義されたビジネス目標とレポートを活用できるスキルを持つ人々にとって、今でも非常に網羅的で柔軟性の高いツールです。有料版(Google アナリティクス 360)では、専用サポート、Google Adsと検索最適化のためのより充実したサポート、およびトレーニングを提供しています。

ウェブ解析の真の決め手となるのは統合であり、それを得意とするサードパーティ製ソリューションが多く台頭しています。ウェブのメトリクスと他のデータストリーム(ビジネス/マーケティングインテリジェンスなど)をリンクすることで、解析結果をビジネスの全体的なコンテキストの中で見ることが可能になります。

IBMのWatson Customer Experience Analyticsは、人工知能を利用して顧客が「手こずりやすい」ポイントを自動的に見つけ出します。高度な顧客行動モデリングを通じてAIが問題の領域を切り分けるため、個別に修正を適用することが可能です。またインサイトはリアルタイムに進化するため、素早くビジネス成果を得ることが可能になります。

oTデータ解析

ウェブ解析が普及し、その機能やそれにまつわる用語も非常に身近になってきているため、ウェブでうまくいくものが他のユースケースにも適用できると考えるのは簡単なことかもしれません。しかし少し待って下さい。

私たちは以前、IoTデータがユニークであるとされる理由とその特徴について記事を書きました。

これは時間を割いて深く掘り下げる価値のあるトピックですが、ここではいくつかの要点をまとめたいと思います。:

  • . IoTにおけるさまざまなユースケースがデータの収集と解析をより複雑にしています。平たく言えば、ウェブ解析プラットフォームが収集するメトリクスの種類は固定です。ユーザーがウェブサイト上でどのように振る舞ったかに関わらず、ページ滞在時間、クリック数、バウンス率などの基準でユーザーの行動が表現されます。一方で、コネクテッドなIoT冷蔵庫の評価は全く異なる要因に依存します。すべてのIoTユースケースに、個別にカスタマイズされたメトリクスやデータモデリングが必要とされます。
  •  統合はダッシュボードに比べてはるかに複雑です。ウェブ解析は主に、配信、エンゲージメント、アピールの面で有用です。またダッシュボードを通じて管理され、インサイトはマーケティングに活用されます。一方でIoTデバイスは、機能本位的で、多くの場合、それら機能を他の多くのシステムと統合する必要があります。HIT Infrastructureによる、この医療分野におけるIoT統合の複雑性を扱った記事は注目に値するでしょう。IoTデバイスがもたらすリアルタイムな情報は、患者にとって革新的変化となり得る一方で、従来のデータ管理システムとの統合は、医療の提供を遅らせるリスクも伴います。

IBMやAWSなどの大手はオールラウンドな何でも屋と思われていますが、彼らが提供したIoTデータ解析の初期ソリューションは、その期待を裏切るものでした。汎用的なダッシュボードにはプリセットとして設定されたいくつかのメトリクスとレポートしか存在せず、カスタマイズが必要な場合は、諦めて他を当たる必要がありました。

Man in a manufacturing plant powered by AI-technology holding a tablet showcasing IoT data insights

これらの大企業は最終的に、目的に特化したIoTデータ解析ソリューションを提供するMnubo、C3、PTCなどのアジャイルな企業に市場シェアを奪われつつあることに気付き、この一年ほどでようやくアプローチを変え始めました。しかし、IoTデータ解析に真剣に、全面的にコミットする企業にとっては、インハウスで構築された不完全なシステムではなく、IoTデータ解析専用に開発されたプラットフォームを採用することで、時間とコストの面でも大きなメリットがあります。

  • ライフサイクル解析:当たり前のように聞こえるかもしれませんが、IoT製品は世界のあちこちに存在しているため、あらゆる変数から影響を受けます。ベストな解析プラットフォームは、製品のベータテストから陳腐化に至るまでを導いてくれます。MnuboのSmartObjectsは、ベータ期間中に収集する必要のあるデータに焦点を当てています。またこれは、ロールアウト前のトラブルシューティングにも役立ちます。導入時には、実際のユースケースにインサイトを適用することに焦点が移ります。その後は、将来の製品開発の発想源となるような、製品の使用傾向やパフォーマンス予測を利用できるようになります。
  • リッチなデータ:製品が屋外で使用される場合、気象データを検討する必要があります。モバイルであれば、位置情報は必須です。このような追加的なデータソースを、コアとなるメトリクスと簡単に統合できるプラットフォームを選びましょう。これは、完全にインテリジェントなIoTソリューションを実現する秘密兵器です。
  • フルスタックなSaaSソリューション:データ管理をできるだけ簡略化し、社内のITリソースへの負担を最小限にしましょう。理想的な解析プラットフォームは、最新のビッグデータ用ストレージアーキテクチャとうまく連携します。また、柔軟性の高いAPIを提供し、カスタムダッシュボードの作成も可能です。

自社が必要としているのはどのようなプラットフォームでしょうか?

  1. ビジネス目標を決定する
  2. 収集するデータの種類を確認する
  3. エコシステムを確認し、どのような統合が必要かを決定する
  4. 最も迅速にインサイトを獲得できる解析プラットフォームを選択する

結局のところIoTデータ解析において重要なのは、何を知る必要があるかを知ることです。一般的なソリューションに対しては、一般的な問いしか用意できないため、一般的な回答しか得られないということです。

正しい解析プラットフォームは、測定したい情報に柔軟に適応することで企業にさまざまな発見をもたらします。答える価値のある疑問に辿り着くためには、そういった発見のプロセスが必要不可欠なのです。

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