5Gがすべてを変える

By Thao Tram Ngo
10月 7, 2019
5G network lit up across a city
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5Gとは何か、そしてそれが私たちの住む世界をどのように変えていくか

すべてを大きく変えると言われる5G。その次世代型モバイル通信システムはたびたび大きな話題になってきました。5Gの魅力はそれほど分かりやすくはありませんが、世界を変えるための準備は徐々に整いつつあります。

それでは、具体的に何が変わるのでしょうか?…混乱が生じやすいのはこの辺りからです。

この記事では、主に次の2つの問いに答えます。:

  • とは何か?
  • 5Gは私たちの住む世界をどのように変えていくのか?

5Gとは何か?

簡単に言うと、5Gは、4G/LTE/WiMaxの後継となる次世代のモバイル通信です。その通信スピードは現在に比べて10〜20倍と高速で、消費者にとっては朗報ですが(スマートフォンで高速インターネットを使いたくない人などいるでしょうか)、一方、5Gの本当の価値はまだ見えづらい部分に隠されています。

おそらくご存知のように、インターネットにつながるモノの数は確実に増加しつつあります。2020年までには、IoTデバイスのインストールベースの数は世界中で約310億にも上ると言われています。これはいわゆる「クラウド戦争」と呼ばれ、クラウドサービス事業者だけでなく、コネクティビティに関する専門家から製品メーカーに至るまで、IoTエコシステム全体に大きな影響を及ぼし始めています。

「コネクティビティレイヤー」は、スマートデバイスやセンサの効果的な相互接続を可能にします。これはIoTの核心であり、多くの関係者は、IoTが広く普及しない理由はコネクティビティの問題にあるとしています。そういった中登場するのが5Gです。

5Gネットワークは私たちの未来の基盤となるものです。家庭を変え、都市を変え、最終的に私たちの生活を変えるでしょう。現在のテクノロジーに真に総体的な進化をもたらすために欠けているのが、この高速で信頼性の高いコネクティビティなのです。

5G real life IoT applications graph

5Gはどのようにしてすべてを変えていくのか?

私たちがどこへ向かっているかを理解するためには、自分たちがどこに立っているのかをまず理解する必要があります。IoTがさらに普及しつつあるのは前述した通りですが、それでは目の前でIoT革命が勃発しないのはなぜなのでしょうか。

IoTのさらなる普及のために解決しなくてはならない2つの大きな課題は次の通りです。:

  1.  コネクティビティの制限
  2. 相互運用性の欠如

IoTの可能性を大きく広げる5G

現在、IoTはさまざまなデバイスがネットワークに接続された集中型エコシステムに依存しています。そのため、コネクティビティが不安定な場合にはIoT製品が期待通りに動作しないことがあり、顧客解約率の上昇などの形で直接ビジネスに影響を及ぼします。しかし、不安定なコネクティビティが引き起こすさらに大きな問題は、イノベーションが制約されているという点です。

現在のコネクティビティにおける問題は進歩を大きく妨げています。

スマートホームといえば、Amazon EchoやAlexa、Google Home、そして場合によってはApple HomeKitを思い浮かべる人もいるでしょう。それぞれ、そのエコシステムの規模に関わらず、音声認識が重要な構成要素を担っています。音声アシスタントはますます普及しており、ジュニパーリサーチ社の調査によると、音声アシスタントデバイスの数は2023年までに10倍増加し、2億7500万台に達する見込みだそうです。

Amazon Alexa demo at a 5G IoT tradeshow

5Gは音声アシスタントを制約から自由にし、そのさらなる普及への道を拓くでしょう。音声アシスタントとの交流は楽しく、スマートホームの普及を後押ししてきたのも彼らです。まだ始まりに過ぎませんが、音声アシスタントと日常生活の統合は順調に進んでいます。そして、もしメーカーが市場シェアではなく顧客へと焦点を合わせることができれば、論理的な次のステップはスマートカーであると言えるでしょう。

相互運用性を強いる5G

5Gはすべてのデバイスを接続するためのバックボーンで、音声アシスタントは普及を進めるための手段です。そのようにまとめることもできますが、これは簡単に実現できることではありません。

重要な要素である相互運用性は、IoT関係者の考え方に大きな変化を必要とします。

相互運用性とは、システムがメーカーやオペレーターに関係なく相互に通信できるようにすることで、IoTの新しい扉を開く概念です。しかしこの実現は簡単なことではありません。

閉鎖的なエコシステムはメーカー以外に利益を全くもたらしません。5GネットワークがIoTをより多くのコネクテッド製品へと開かれたものにするためには、少なくともある程度の共有性が必要になるでしょう。IoT革命を実現するためには、企業同士が協力し合う必要があります。5Gは成功に必要な手助けはしますが、それを保証するものではありません。

自動運転車は旬な話題であり、その理由は容易に理解できます。無人運転と聞けばワクワクしますし、その未来はいずれ現実になります…メーカーがある程度の相互運用性に同意しさえすれば、です。安全性を確保するには、自律走行車同士が通信できなければなりません。

Self-driving car demo at a 5G IoT tradeshow

もし企業がこのハードルを乗り越え、顧客を前提にして未来を考えられるならば、その時はじめて5Gは世界を変えるでしょう。

膨大なデータを生成する5G

スマートデバイス間のギャップを埋める5Gは、その絶え間ないコネクティビティによって大量のデータを生成します。リモートセンサからデータを取得し大規模なデータセンターに転送することが最初の課題となるでしょう。また、5Gのコンテキストは間違いなくクラウド非依存性を後押しします。もしベンダーがデータ解析ソリューションにおけるデータ抽出を複雑なものにしてしまえば、5Gの真価は失われてしまうでしょう。

最終的には、明確にユースケースを定義した企業が5G時代に成功を収めます。総合的なビジョンを持たなければビジネス価値の獲得は難しく、生成されるデータの価値はそこから生み出されるインサイトの価値によって左右されます。リアルタイムなデータ解析にAIと機械学習を利用する目的特化型の解析ソリューションは、どのような企業にも欠かせない存在となるでしょう。

さて、データ解析ソリューションだけでなく、あらゆる企業にとってのゲームチェンジャーとなりえる5Gですが、「世界を変える」にはそれだけで十分と言えるのでしょうか。

5Gがもたらす新たな倫理的課題

5Gには世界を変える力がありますが、それには大きな責任が伴います。自然と次の2つの疑問が浮かびます。:

  1. 世界全体が5Gから恩恵を受けるにはどうすればいいか?
  2. 個々人のデータを保護し安全性を確保するにはどうすればいいか?

もし5Gが単なるお金儲けの道具とみなされ、問題解決に活用されないのであれば、この画期的な技術から恩恵を受けるのはごく少数の人々に限られてしまうでしょう。

しかし5Gをポジティブに捉えられる点は多くあります。多くのユースケースが発展途上国におけるIoTの重要性を強調しています。:

  • 世界の半分は基本的な医療サービスを利用できておらず、
  • 10人に1人は安全でない水源から得た水を飲んでおり、
  • 発展途上国の汚染は、世界のどこよりも速いペースで増加しています。

これらの問題を解決するのに5Gが重要な役割を果たします。安定したコネクティビティとスマートシティ構想によって、医療サービスの非中央集権化、水道システムのリアルタイム監視、温室効果ガス排出量の削減が可能になります。5Gネットワークがユニバーサルなものになれば、より良い変化が起こるでしょう。

5Gの台頭に伴う第2の課題は、データのセキュリティとプライバシーの問題です。ブラックベリー社が発表した最近の調査の結果によると、回答者の約80%は、所有するコネクテッドデバイスにおけるデータやプライバシーの保護について信頼していないと回答しました。

方程式はシンプルです。データが多ければ多いほど、保護すべきデータも多くなります。5Gネットワークは総合的なコネクテッドライフをもたらすため、消費者はなんとしてでも個人データの保護を求めるでしょう。

未来に向けて

5G革命は確実に起こりつつあります。これは「〜だったら」という空想上の話ではなく、「いつ」それが現実になるかという話です。5Gに伴う課題は克服しなければなりませんが、そうする価値は十分にあります。しかし、5Gはそれ自体が解決策というわけではなく、問題解決のための手段にすぎないということを忘れてはなりません。

IoTは、5Gによってついに成功への準備が整い、今までに交わした多くの約束がやっと実現される時が来るでしょう。

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