IoTデータ解析にまつわる5つの神話とその嘘

By Thao Tram Ngo
10月 3, 2019
IoT analytics connecting the city
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人工知能(AI)とモノのインターネット(IoT)はここしばらくの間注目を集めており、オート メーションや収益における革新的な推進力として期待されています。しかしこれらには、業界 に浸透している多くの「神話」が付きまとい、AI主導のビジネス戦略の採用をためらう企業も 少なくありません。

AIやIoTデータ解析といえば、デバイスのコネクティビティからデータの所有権まで、風説とも言えるさまざまな話題が思い浮かぶかもしれません。さて、そのうちのどれが根拠に基づいた真実でしょうか?あらゆる作り話は基本的なアイディアの上に成り立っていますが、そのアイディア自体に欠陥がある場合もあります。この記事では、一般的となったIoT神話を検証し、事実と誤解を明らかにします。

それでは、よく耳にする5つの神話とその嘘について順番に見ていきましょう。

神話その1:IoTとは単にモノ同士をインターネットで接続したものを言う

IoTとは、スマートデバイスと、それらが通信し相互に作用する機能とを組み合わせた、インターネット接続された「モノ」のネットワークです。しかしIoTはそれだけに限りません。もちろんデータの送受信は、収益の増加、コストの削減、アフターマーケットサービスの改善に必要な、IoTを構成する欠かせない要素です。しかし、これらを効率的に行うには単にデータを送受信するだけでは不十分です。

従来においてメーカーが追跡できたのは、製造、流通、出荷、購入など、本番稼働前の段階でした。このため製品ライフサイクルの残りの部分については、手動で収集した顧客のフィードバックに全面的に依存していました。導入後に発生するシステムエラー、障害、製品の問題は発生後に初めて通知されるため、非効率なフィードバックループが発生します。このような可視性の欠如は、問題解決の遅延、不要な技術者派遣、回避できたはずのシステム障害、ビジネス上の損失、そして最終的には顧客の離脱という結果を招く可能性がありました。

IoT analytics in the manufacturing industry layered over a distribution truck in a warehouse

今日では、IoT向けの高度なデータ解析技術によって、製品の本番導入後も優れた可視性が得られるようになりました。AIとIoTに特化したソリューションは、デバイス同士をインターネット接続するだけに留まりません。製品のセンサーデータを集約して解析することで、ステークホルダーは製品ライフサイクル管理(PLM)プロセス全体を通して、製品の使用実態やパフォーマンスを容易に把握できるようになりました。コネクテッド製品によって、本番導入前から導入後に至るまで、企業はオペレーション全体をより深く理解できるようになります。収集されたデータは事前に設定された基準に基づいて、自律的な意思決定や製品のパフォーマンス向上、より優れた製品の開発に役立てられます。

IoTデータ解析は、製品管理から営業、マーケティング、経営幹部に至るまで、企業全体にとって価値のある、実践的なインサイトを提供します。エンドツーエンドの可視性によって一貫性と整合性が確保されるため、企業は顧客エンゲージメントやインタラクションについての理解を深め、アフターマーケットサービスを最適化し、新製品のロードマップ作成に集中できるようになります。つまりIoTとは、単にモノ同士をインターネット接続することではなく、インターネット接続されたモノから得たデータを解析し活用することなのです。

神話その2:解析プラットフォームはどれも同じである

データ主導の意思決定は、今日の企業の競争力や妥当性を決定する大きな要因になっています。ウェブ解析からモバイルアプリケーション、ソーシャルエンジンに至るまで、ほとんどの企業製品やビジネス戦略に解析は不可欠です。ユーザーに実用的なインサイトを提供するという共通の目的の下で、異なる解析ソリューションを組み合わせて一本化することも難しくありません。

しかし、すべての解析ツール類が同じように作られているわけではなく、また同じ機能を持っているわけでもありません。IoTデータ解析を含む次の分類は、それらがどのように使われているか、何を追跡しているか、どのKPIを解析しているかを示しています。ビジネスのニーズに合った適切なツールを選択しましょう。

Various icons indicating different types of platforms including IoT analytics laid over buildings in the city

神話その3:解析ソリューションの構築は簡単に終了する

よくある誤解(もしくは希望的観測)のひとつが、IoTデータ解析ソリューションの構築は比較的簡単であるというものです。この誤解の下に、多くの企業が社内リソースを割いて自社独自のソリューションを構築しようとしますが、それは理想的とは言えません。メーカーやサービス事業者は、ソフトウェアやハードウェア関連の高度な技術を持っている一方で、IoTプロジェクトの実経験が不足しがちです。IoTプロジェクトでは、従来のソフトウェア開発プロジェクトとは全く異なる専門知識が必要とされます。

AI技術の導入に必要な専門知識や所要時間を甘く見積もることは危険です。企業にとっては進歩よりも挫折をもたらすことの方が多いでしょう。IoT特有の技術はあまり知られていませんが、IoTとセンサーデータを設計/開発/デプロイするために必要な特有のスキルセットについて、企業は最終的に気付くことになります。重要な役割を担うのは次の専門家たちです。:

  • 開発者(Java、Scala、Python、NodeJSなど)
  • ビッグデータ/NoSQLデータベーススペシャリスト(Elastic、Cassandra、Hadoopなど)
  • データ処理/データメッセージングスペシャリスト(Spark、Kafka、ZooKepperなど)
  • DevOps(Ansible、Docker、Mesosなど)
  • データサイエンティスト(機械学習、予測分析、データマイニング、統計)

社内でソフトウェアを構築する場合、需要の多いこれらのスペシャリストを採用するための期間(最長で18ヶ月ほど)を考慮すると、インサイト獲得までに要する時間は1.5年から2年と推定されます。しかし、これでも楽観的な方です。人材や専門知識の不足を考えれば、すぐに利用できるIoTデータ解析へのアウトソーシングが最善策であることは明らかです。 アウトソーシングすることで、コネクテッド製品のメーカーは迅速に業務を行い、製品データとインサイトの間に健全なフィードバックループを維持することができます。

神話その4:IT部門がIoT戦略を主導するべきである

データとテクノロジーに依存するIoT戦略は、IT部門が主導するべきでしょうか。いいえ、そうでもありません。

IoTプロジェクトの成功のためには、企業内の異なる部門が協力し、データ指向の考え方を受け入れる必要があります。組織全体に同じデータポイントを広めることで、意思決定に対するより包括的なアプローチが可能になります。

Members of the IT department working with other teams with IoT analytics

IoTプロジェクトの推進に各部門が関わることによって、サイロ化を防ぎ、大企業内の部門横断的なコラボレーションが可能になります。そうでなければ、IoT戦略は部門間で一貫性のある情報の流れとして本当の影響力を持つことはできません。部門を越えたフィードバックループによって、企業の製品やサービスを全方位から広い視野で眺めることが可能になるのです。

神話その5:すべてのデータは有用である

「すべての知らせは良い知らせ(All news is good news)」ということわざがあります。しかし、同じ論理をデータ収集に適用することはできません。ビッグデータがより多くのデータを扱う一方で、データ解析は実用的なインサイトの獲得に役立つデータを収集します。

この違いを踏まえれば、データ集計には適切な計画や戦略の選択が必要なことは明らかです。不完全なデータやコンテキストを欠いたデータは、コストや複雑さを増大させる可能性があります。さらに言えば、これらによって誤ったインサイトが導き出され、有益というよりは有害な意思決定につながる可能性すらあるのです。

適切なデータ集計を行うには、異なるタイプのデータを区別し、解決したい問題に関連する情報のみをゾーニングする必要があります。従って、IoTデータ戦略を構築する前に、製品メーカーはどの情報を収集するべきかを判断するため、次の問いに答えなければなりません。

  1. どのエンドポイントがそのデータを生成するか?
  2. どのようなデータポイントを収集すべきか?
  3. どのような解析が戦略的インサイトを生み出すか?
  4. どのような追加サービスを提供する必要があるか?

結論

AIとIoTデータ解析という2つの用語はますます一般的になっている一方で、それぞれの概念が具体的に何をもたらすのかを理解するのは単純ではありません。業界を取り巻く言説がすべて事実無根であるという訳ではありませんが、事実と誤解を分けて理解し、知識の隔たりを無くすことが重要です。

は「モノ」をインターネット接続するだけではありませんし、またデータを収集するといっても単にそれを溜め込むだけではありません。製品のライフサイクルを明らかにし、組織全体に決定的なインサイトをもたらします。IoTデータ解析プラットフォームはその他のビジネスツールとは性質が異なるため、解析ソリューションのアウトソーシングは企業にとって最も効率的な選択であると言えるでしょう。IoTデータ解析について学ぶことで、プロジェクトがまだ初期段階にあったとしても、企業は将来に向け大きな可能性を持つビジネスモデルを採用することが可能になります。

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